夢の果てミュージック『憧憬』に収録中の『ある夏の日の黄昏時』(英題:The Summer Day)について、楽曲の特徴や制作のきっかけをご紹介しています。
『ある夏の日の黄昏時』について
『ある夏の日の黄昏時』は「夏の黄昏時」をテーマにした、楽叙情的な楽曲です。
ピアノの伴奏にクラリネットのメロディ、そして盛り上がりにあわせて主張せずその音を奏でるストリングスやフルートといった最小限の構成にした、ノスタルジックで叙情的なサウンドが特徴です。
優雅でロマンティックなクラリネットのメロディが心にすっと染み入り、夕日が落ちていく。その「もののあわれ」が楽曲のイメージです。
楽曲データ
作曲年:2004年
制作環境:Logic Pro X
使用楽器:エレピ、ストリングス、ドラムなど
ライセンス購入:https://audiostock.jp/audio/844455
動画
制作小話
それは学生時代の夏の日のこと。
すべての大学の講義が終わり南京都の京田辺にある平和堂という商業施設で、夜から始まるアルバイトの時間待ちをしていたときのことでした。
平和堂を出てJRに向かうとき、ふと空を見上げると真っ赤な夕日が空に美しく映えていました。そして、何の鳥かはわかりませんが、空を自由にかけていく姿を見かけました。
学生時代という、まだ自分が何者でもなく何かに縛られることもなかったとき。そこに感じたある種の不安定さをともなう自由な感覚は、もう二度とそれを味わうことがない若さであり、その時代を時折、なつかしく感じます。
『ある夏の日の黄昏時』はそのときの淡く適切な言葉を形容できない気持ちを音楽に変えたものです。そこにあるのは自由への希求かもしれませんし、在りし日への憧憬かもしれません。それが何であれ、この曲は心を洗うための音楽です。
温かい飲み物でも飲みながら、何も考えず、ただメロディに耳を傾けてください。この曲があなたの心の汚れをそれとなく洗い流し、なつかしい感覚を思い出すきっかけになるかもしれません。