夢の果てミュージック『和心』に収録中の『桜は愛惜に散る』(英題:Time Flows)について、楽曲の特徴や制作のきっかけをご紹介しています。
『桜は愛惜に散る』について
『桜は愛惜に散る』は春の夜の夢のように幻想的で儚い旋律が印象的な和風の楽曲です。ふと昔の大切な思い出がよぎるような、淡くて切なく、そしてどこかなつかしい、和のサウンドをお楽しみください。
楽曲データ
作曲年:2021年
制作環境:Logic ProX
使用楽器:シンセサイザー、クラリネット、ドラムなど
ライセンス購入:https://audiostock.jp/audio/966506
動画
制作小話
『桜は愛惜に散る』は、桜、特にライトアップされた夜桜が風でチラチラと舞っている、あの幻想的で美しい感覚を音楽で表現する試みです。
桜吹雪は桜が風に散る様子を例えた、儚くて美しいものを表現する日本的な言葉ですが、桜が「散るから」こそ美しいと感じるその感覚は、誰から教わることなく、日本人が自然に身につける、不思議な感性と言えます。
美しい。でもどこか寂しくて、切ない。それは「淡い悲しみ」のようなもの。年を重ねるごとに、桜が舞う季節がやって来ることを、楽しみにしています。
ちなみに、本タイトルの「愛惜に散る」という言葉は、日本史で習う鎌倉六仏教で有名な道元の『正法眼蔵』の「花は愛惜に散り 草は棄嫌におふるのみなり」を出典にしています。
「花は惜しんでも枯れてしまうけど、雑草は自然に生えてくる。美しい花が枯れてしまうのは悲しいけれど、枯れてしまうからこそ美しい。それこそが自然の営みであり、サイクルである」
このような意味を持つ言葉ですが、生命は循環するもの。とても好きな言葉の一つです。