逆境を越えた者たちの記憶を紡ぐ、矜持のサウンド。『緋色の魂』(英題:Scarlet Soul)

動画のサムネ

ライセンス販売サイトで使用権を販売しており、YouTubeで無料公開しているオリジナル曲『緋色の魂』(英題:Scarlet Soul)についてご紹介します。

『緋色の魂』について

『緋色の魂』は、哀愁漂う旋律と過ぎ去りし時代への追想が交差する、ノスタルジックなサウンドが特徴の作品です。

まるで語り部がそっと歴史を紐解くように、静かなピアノのイントロが幕を開け、聴く者の心を静かに物語の世界へと誘います。

そして響くのは、哀しみと力強さが共存する叙情的な和のメロディ。日本的な情緒と現代の感性が織り成す旋律は、まるで時代を越えて届く声のように、静かに、しかし確かに心を打ちます。

どこかなつかしくも、心の奥に燃えるような力を感じさせる、魂の記憶を辿るようなサウンドを、どうぞお楽しみください。

楽曲データ

作曲年:2020年

制作環境:Logic ProX

使用楽器:ピアノ、エレピ、シンセサイザー、ベース、ドラムなど

ライセンス購入:https://audiostock.jp/audio/832114

動画

制作小話

2020年6月のこと。

ふと、2019年に訪れた北海道・余市の風景を思い出し、何気なくネットで街の情報を検索していました。そのとき目に留まったのが、余市の歴史を簡潔に綴った街の公式サイトの記事。

そこには「余市は、戊辰戦争で敗れた会津藩士たちが開拓した土地である」ということ、そして「日本初のリンゴ『緋の衣(ひのころも)』がこの地で結実した」という、思いがけない歴史が語られていました。

敗戦によりすべてを失った会津藩士たちは、新天地・余市での過酷な開拓に従事します。

幾多の苦難の末にリンゴ栽培に成功し、その実りに「緋の衣」と名付けたこと。それは、かつて彼らの君主・松平容保公が孝明天皇から賜った「緋の御衣」の色にちなんだ名だったといいます。

この逸話に心を強く揺さぶられた私は、すぐさまAmazonで関連書籍を探し、『りんご侍と呼ばれた開拓者 汚名を返上した旧会津藩士の軌跡』(中西出版)という本と出会いました。

そのページをめくるたびに、会津藩士たちの誇り高き生き様に心を打たれ、読み終えたとき、胸の奥からこみ上げるような感動が押し寄せました。そしてその直後に生まれたのが、この曲『緋色の魂』です。

全てを失い、何もない地に根を下ろし、信念と矜持を胸に激動の時代を生き抜いた人々。その姿は、現代を生きる私たちにも、困難に立ち向かう勇気を与えてくれます。

この国にはかつて、どんな境遇にあっても誇りを失わずに歩み続けた人々がいた。その事実を、この音楽を通して一人でも多くの方に届けられたなら、これ以上の喜びはありません。

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